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私は知っている。
隣だろうが上だろうが下だろうが、意外と顔を合わせる機会がないという事を。
だから別にわざわざ"隣に越してきた何たら"なんてやろうとも思わず。
「今日から一人暮らしだって?」
「そ、いいでしょ?」
同期のドユンにピースして見せる。
ドユンは二個上だからお兄さん的存在でもあるが、同期という事もあって敬語は使った事がない。
ドユンも変に年上扱いされるよりはいい、と言っていたのもある。
自分の椅子に座ると'いいなぁ'と素直に羨ましがるドユンが携帯をいじり出す。
「近々同期集めてAの家で引越し祝いだな」
私の意見など聞かずに決めた。
「ドユニが全員分のチキン代出してくれるならね」
ファイルを開きながら、八割本気の言葉を勝手なドユンに言ってみせる。
「いや、Aと俺の給料同じだからな?流石に半々ね」
「半々とかケチくさっ!男ならせめて八割は出しなよ」
「男だと思ってないくせにこういう時だけ」
男だと思うとか思わないとか関係ない。
提案した者のすべき事だ。
しかも私の引越し祝いという名目なら尚更。
などとガチャガチャじゃれあいの様な会話をしてると、少し離れたデスクの上司と目が合って'静かに'と口パクで言われてしまった。
ドユンのせいだ。
いや、ドユンのせいにする。
だから小声で隣のドユンに'ねぇ'と声をかけて
「隣が芸能人だからあんまり五月蝿く出来ないんだから、悪いけどお酒は無しにしてよ」
あっさり引越し祝いを承諾する言葉を言ってる自分がいた。
ドユンは一瞬残念そうに眉尻を下げたが
「誰が住んでるか見た?」
と、本題からズレた質問をして来るから呆れた。
だからただ首を横に振るだけにして、デスクトップの画面と向き合う。
「興味ないの?」
「別に。そんなの良いアパートなら良くある事だし、迷惑だと思われて家出てく事になる方が無理だもん」
今日期限の仕事にキーボードを打つ指が捗る。
ドユンが'冷めてる'と呟いたけど聞こえないフリをした。
冷めてて結構。
私は家の方が大事。
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かむ(プロフ) - サマンサさん» 彼には平然と煽ってもらいたくてこうなりました😂 (3月27日 19時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 煽り上手なユンギ痺れます...! (3月27日 17時) (レス) @page43 id: 950212af01 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» こちらこそ目を通して頂きありがとうございますㅜㅜ少しのんびり更新ですがにはなってますが是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (3月26日 12時) (レス) id: e587d3099d (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - かむさん、ユンギのお話をありがとうございます。ユンギと隣の彼女の関係が出会ってから急激に近くなって、でも元カノも出てきたりして、この先の展開が楽しみで仕方ありません。毎回、更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (3月26日 10時) (レス) @page36 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - にゃんさん» わーありがとうございます🥹そしてユンギペンさま…ご期待に添えられるかわかりませんが、良ければ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです🥹 (3月21日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月20日 20時