彼女はとても繊細です。【TH】

2・YOU ページ2

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遡る事入社式の日、




就職活動から履いているのにも関わらず未だ慣れないヒールのある靴は何もない場所でも私をつまずかせようとする




『わわわ、コケるコケる………って、え………、

え？！！！』





どっ、どちら様？！！



私の腕を掴むのは絶世なる美男子



見た事ないオーラが彼を包み込んでいる





「大丈夫？」





少女マンガでヒロインが恋してる人の顔してる




『はっ、はい……だっ、大丈夫…？』


「なんで疑問形？(笑)」




掴まれた腕から徐々に熱を帯びていき、心臓や顔が熱くなる




「なんもない所でコケてるし(笑)」




顔がストライクゾーンど真ん中



アイドルの推しも二次元の推しも
彼の前では足元にも及ばない



笑顔も素敵だ



今すぐ世界の中心でのたうちまわりながら愛を叫びたい









私は彼に一瞬のうちに落ちてしまっていた










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この恋は実らなくても別にいい



私の中で彼はいわゆる推し




特にアピールするわけでもなく、陰からひっそりと眺めてるだけで満足だった




だけど、幼馴染で同期入社したナヨンと仲良くしているのを見るとモヤモヤと醜い嫉妬をしてしまいそれを彼女に意のままぶつけてしまう厄介な私





ああ、面倒くさい性格




経理課の私とはあまり接点もなく、彼の認識としては「ナヨンのお友達」なんだろうな



もう少し、話してみたいと思う反面


このまま見てるだけで充分だと思ったり







いや、それ以前に




面と向かって話すとか、想像しただけで爆発しそう









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