彼女はとても繊細です。【TH】

25・TH ページ25

.







会社から少し離れた場所にある大きな公園のベンチに腰かける




「ここで良かったの？」



缶のカフェオレを渡して言えば、



『あ、ありがとうございます。ここがいいです。』



と財布を出すから「いらないよ」と言いプルタブを引く







「まずは！

さっき言ってた、

オレがもしガウルを好きになっても、
っての！もしもの話でもやめてよ。」



『ハイ…

またいつものネガティブ思考に陥ってしまったので…

彼女が美人すぎるのもあって…。

私、もう…後戻り出来ない所まで来てるんです。

少し前までは、眺めてるだけで嬉しくて、少し話せただけでドキドキして、舞い上がって。

だけど、今はテヒョンさんを思うと胸が苦しくなって、切なくなって…

本当の恋ってこんな風になるんですね…』



珍しく饒舌な彼女


これが本当の彼女なのだろうけど



「オレもAと居ると常に心臓を直に掴まれてるみたいにギュッと痛くなる。」




缶コーヒーをベンチに置き向かい合い、



「君しか見えていない」と念を押す



両手でAの頭を撫でながら言えば、瞳には涙の膜がかかる






「なっ、泣かないで！」



『ま、まだ…泣いてません…』




そう言って瞬きすれば頬に零れ落ちる涙


てかサトゥリ出てきた


嬉しくなり自然と頬が緩む




『ごめんなさい…勝手に涙が…』




両手でAの両頬を挟み込み、親指で涙を拭う









.

26・TH（最終話）→←24・TH

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す