紅一点×SnowMan⑩ (ページ25)

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side YOU ページ25

あんなこと聞いちゃったから少しだけ憂鬱だな。

すこジャニのロケのため、四国に向かう飛行機に乗る。

ドラマの撮影があったから、他のみんなより
少し遅れて現地入りする。

このままいけばオープニングには間に合いそう。
ただ、メイク直しとかはする時間がないから、
飛行機の中でささっと直しておく。

雅も牧さんも今日はいない。樹や風磨もいるし、
大丈夫だからと言って、オフをとってもらった。

そうでもしないと休めないしね。

前は純粋に楽しみだったこのロケは、
もちろん楽しみではある。

だけど、同じくらい憂鬱なのも確かだ。

なべくんへの想いを自覚してから、
樹や風磨と会うのは避けていた。

この2人は勘が恐ろしく良いから、
普通に話しているだけで私の変化に気づいてしまう。

この気持ちは叶えてはいけないし、
叶わないものだから。

墓場まで、1人で抱えていくつもりだ。

風磨を傷つけた私に、寂しさを色んな人に
埋めてもらってる私に彼氏を持つ資格なんてもうない。

だからこそ、2人を避けてでも、
この想いを隠さないといけないのだ。

着陸をお知らせするアナウンスが聞こえる。
私は降りて、用意してもらったタクシーに乗り込んだ。

『あっ。待って！』

「え？」

私だけだと思っていたら、
聞き覚えのある声が聞こえる。

『姉御やっほ。』

「え？樹？なんで？」

『俺も急遽の仕事入っちゃって、飛行機で行くことになったのよ。』

金髪の髪をガシガシとかいて
笑ってる姿は少し久しぶりだった。

「そうなの？」

『ん。で、飛行機も慌てて取ってるから余りの席になっちゃったから姉御とは離れてたわけよ。』

「いや、知らなかったからびっくりした。」

『知らないのにびっくりしたよ。俺取り残されるとこだったー。』

そんなこと言いながら、タクシーの中で話している。

『四国に来ることなかなかないから新鮮だな。ライブの時以来かも。』

「私は映画の撮影で前に来た感じ。」

当たり障りのない会話をしていたら集合場所に着いた。