紅一点×SnowMan⑩ (ページ39)

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⭐︎ ページ39

「うん、ありがとう。」

『だから、、、付き合ってください。』

目と目が合い、しっかりと見つめられる。

「お互い芸能界にいるし、私は特に特殊な環境にいるから。高杉くんが思うようなお付き合いはできないかもしれないけど、、、。」

『それは大丈夫。そこは分かってるよ。』

「私も高杉くんともっと一緒に過ごしたいな。」

そう伝えたら彼は目を見開いて固まっている。

『やばい。信じられない。本当にいいの？』

「うん。こちらこそ、よろしくお願いします。」

『うわー。なんか嬉しい。』

目の前でしゃがんで息を吐く高杉くんが可愛らしくて、
私も一緒にしゃがんで彼の顔を覗き込んだ。

『だめっ。俺、今めっちゃ情けない顔してる。』

「そんなことないよ。」

『あー、もう。』

彼は私の顔を両手で挟むとそのまま近づいてきた。

私はそっと目を閉じる。
軽く唇に柔らかいものが触れた。

離れると同時に目を開ける。

そのまま高杉くんはしゃがんだまま
私をぎゅっと抱きしめてきた。

『ほんとずるい。』

「えー、何が？」

『かわいいってこと。』

さらに力強く抱きしめてくれるのに
応えるように私も抱きついた。

『よしっ。帰ろうか。』

「うん。」

帰りの車中は穏やかな音楽と共に
穏やかな時間を過ごしていた。

彼と過ごしていたら、
なべくんを忘れられるかもしれない。

なんだか彼を利用しているみたいで
申し訳ない気持ちもあるけども。

それでも、一緒にいたいと思った気持ちも本当だ。

「わざわざありがと。」

『いーえ。にしてもこんな高級なところ住んでるとは思わなかった。』

すごいなーなんて言いながら
マンションの駐車場の中を見渡している。

「事務所が所有してるところに私が住んでいるだけだから。」

『なるほどね。』

「じゃあね。」

『うん、また連絡する。』

車を降りようとすると手を引かれ、
そのまま抱きしめられる。

『あーもう。明日仕事じゃなければな。』

「今度遊びに来て？」

『うん。絶対行く。』

そう言って彼は離れていった。
私も助手席を降りる。手を振って車を見送る。

なんだか、こんな感じ初めてかもしれない。
あまりにまっすぐで真面目な彼に少しの安堵と
自分自身の汚さに辛さを覚える。

部屋に戻り、洗面台へ向かう。
そこにあったものを紙袋に詰める。

もう、誰にも頼ってはいけないな。
私は確かに助けられた彼らの存在に感謝しながら、
眠りについた。