キム社長と秘書３

全部が ページ30

全部が欲しい



とてつもなく恥ずかしい発言なんだろうが

それが俺の真意だ






『全部‥それってどういう』



NJ「全部だよ」




まっすぐ見つめる目に少し動揺が走っている。





NJ「勢いだけで体を求めたわけではない。
　
　 心も体も俺で埋まればいいのにと思っていた」




『‥社長』



NJ「だけどまたあやふやなまま抱いてしまえば後悔する」




『‥‥それは、心も体も社長のものになれという意味であってますか』




NJ「ああ」




『‥‥社長‥』



目が潤んでいるように見えるのは気のせいか








『私の心はずっと社長でいっぱいです』








NJ「‥‥‥」


『仕事もそうじゃない時間も、

　全部社長のことを考えてます』





NJ「秘書としてか」



『違います』



NJ「喜んでいいのか」



『ええ。気持ちが同じなら』




NJ「同じだよ。俺はもうずっとあなたでいっぱいだ」


　

ほんのり顔が赤いのは 照れているからなのか








NJ「抱いていいか」


『‥えええ』


NJ「なんだ」




『社長‥確認です

　私のこと、どう思ってるんですか』



NJ「好きだ。俺のそばにいてほしい」




『っ‥』




NJ「返事は」




『ずっとそばにいますよ。私も、大好きです』








こんなに心が満たされる瞬間があっていいものか



目を潤ませながら、頬も緩ませながら

笑ってるその顔は



可愛らしくて たまらなく愛おしい。








強く抱きしめると、小さな体でしっかり抱きついてくる。



このまま押し潰してしまいそうだ。






気持ちが伝わった上でする口づけは




これまでのどのそれよりも、深くて甘い。









『‥体も心も全部 社長のものです』







今のこの瞬間を
　

絶対に忘れたくないと


そう思った。








『抱いてください』





NJ「‥好きだ」





一度口にすれば、何度でも溢れ出てくる。



ずっと胸の中に閉じ込めてきた思い

相手に伝えられることが こんなにも幸せなことだと


痛いほどに実感していた。

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